エクスプレスという名が付いているからといってヨーロッパを走る国際列車オリエントエクスプレスを想像してはいけません。この列車の揺れ方はなみじゃない。前後左右上下と3次元の揺れのため、後ろ向きの座席の人は大変です。12時間もこの列車に揺られたら、たいていの人は船酔いしてしまいます。私たちは車内で夕食を食べるときビールと酔い止めを飲んで早々に休みました。ルクソールからカイロへ帰る場合は旅費が高くても飛行機にしてください。最近はテロの関係もあって日本の観光会社はこの列車を使わないようですが。一番良いのは、やはり船によるナイル川下りですね。途中の遺跡を観光しながら、3泊4日はかかりますが。 |
初めてピラミッドを見たのはこんな町の中からでした。ピラミッドといえば砂漠の真ん中に立っているものとばかり思っていたので、ちょっとがっかりしました。しかし、この後、写真にでてくるピラミッドを見られるところへ観光バスは私たちを連れていってくれました。ピラミッドまではラクダに乗って行きました。ラクダは背が高いので、乗り降りの時はちょっとスリルがあります。ピラミッドに対する2番目の印象は、ピラミッドは「臭かった」と言うことです。ピラミッドの前はラクダの糞だらけで、その臭さには鼻が曲がりそうでした。しかし、最近はピラミッドの近くへラクダだを入れないので、臭くなくなりました。 今回のエジプトの旅で、私たちの一番印象に残ったことは、ピラミッドの前でのワンダラーコールでした。ピラミッドの前でらくだを降りたとき、らくだ使いが私たちに、一人1ドルのチップがいると言い出したのです。添乗員からチップはいらないと聞いていたので、渡さないというと、ラクダ使いたちが、そんなことはない、1ドルずついるのだと言ってきかないのです。添乗員に確認すると、彼らの言葉通りにチップを払うと、言えばもらえるものと思って、つけあがるので渡さないでとのこと。しかし、彼らは大きな声で(砂漠で生活をしていると声が大きくなるらしい)、また、怖い顔で(日本人にはそう見える)、何人もが、ワンダラー・ワンダラーと詰め寄ってくるのです。私は「あほんだら!」と関西弁の巻き舌で叫びたかったのですが、ちょっと怖いもので、無視して逃げることしかできませんでした。このことがあってから、ツアーの最後まで、ワンダラーが私たちの合い言葉になりました。 この事件で強く感じたのは、私たち日本人にとって1ドル は缶ジュース1杯分の値打ちしかありませんが、エジプト人にとっては値打ちのあるお金だと言うことです。当時、カイロ大学出のエリートの給料が1ヶ月3千円から5千円と言ってました。ラクダ使いが1ドルに執念を燃やすはずです。日本人が外国で百万円も土産代に使う人がいると聞けば、彼らはどう思うでしょうか。我々も自分たちの生活をもう一度考え直す必要があるのではないでしょうか。 エジプトの詳しい写真は「エジプト」のコーナーで見てください。ここでは割愛させていただきます。次はギリシャのアテネと、エーゲ海へ向かいます。 |